2011年12月18日日曜日

オレオ警部登場

オレオ警部「さっそくですが、ひじきさん。あなたは昨日の十一時十分頃どこにいらっしゃいましたか」

ひじき氏「やだなあ、警部。ボクを疑っているんですか。台所のカステラを爪にかけたのはボクじゃあないですよ。その時間だったらボクはリビングにいました。ワイヤーラックの最上段でくつろいでいたんです。ほら、証拠の写真もあります」


オレオ警部「む、この写真をお借りできますかな」

オレオ警部(鑑識は写真にトリックはないと言っている。普段の行動からして、ひじきが犯ニャンに間違いないのだが。こいつは難問だ)

オレオ警部「よし、こまったときは、こたつ布団を揉むに限る」



(もみもみ、もみもみ)



ひじき氏(ふふふ、まんまと騙されたぞ。オレオ警部もたいしたことないな)

オレオ警部「ふう、たくさん揉んだがアリバイの謎は解けない。リビングを調べてみよう」



オレオ警部「あ、あれは! そういうことだったのか!」



オレオ警部「ひじきさん、やはりあなたが犯ニャンです」

ひじき氏「ボクにはアリバイがありますよ。時計がはっきり十一時十分を指しているじゃないですか。それとも、あの写真にトリックがありましたか?」

オレオ警部「あの写真自体にはトリックはありませんでした。しかし、大事なことを見落としていました。リビングの時計は遅刻魔のみねるばを急がせるため、常に十分進めてあるのです。つまり、あの写真が撮られた時間は十一時。十分あれば、リビングから犯行現場の台所までは余裕で到着できるのです」

ひじき氏「にゃ、にゃに-。気がつかれちまったら仕方がない。ええーい」



(ぽかすかぽかすか)

(ぽかすかぽかすか……)



オレオ警部「今回は取り逃がしてしまったが、ひじき氏、手強い相手だった。またいつか、相まみえるときがくるだろう。次こそは必ず逮捕するぞ」



ひじき氏「オレオ警部、鈍重そうに見えたがあなどれないな。どれ、しばらくここで身を潜めるとしよう」

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