2011年1月29日土曜日

The case of strange cry(奇妙な叫び声事件)

ニャトソン「何が起きたのか、皆目検討がつかないね。オレオ氏は何を聞いても知らないと繰り返すし、ひじき氏は何もなかったと言っている。だが、あのとき世にも恐ろしい絶叫が聞こえてきたとぐりふぉん、みねるばの両氏が証言している。僕はひじき氏が誰かをかばっていると思うんだが」
ニャームズ「ニャトソンくん、君はあいかわらずにゃん観察ができていないね。ひじき氏は誰もかばっていないよ。彼は都合が悪いことを黙っているだけなんだ。彼は話すときに耳を後ろに向けていただろう。都合が悪いという証拠だよ」
ニャトソン「なんだって? では世にも恐ろしい絶叫は本当にあったのか」
ニャームズ「ああ。いいかい、みねるば女史の証言を思い出したまえ。彼女はこう言っていた。『オレオが居間に駆け込んで来るのと前後して、あの恐ろしい叫び声が聞こえました。かわいそうにオレオは尻尾を大きく膨らましてひどく怯えておりました』。叫び声が聞こえた瞬間はオレオ、ひじきの両氏とも居間にはいなかったんだ。また、ぐりふぉん氏が駆けつける最中『足元を走る黒っぽい塊とすれちがい』、現場で明かりをつけて『ケージの扉がゆらゆらとゆれていた』のを見ている。ぐりふぉん氏がすれちがったのは現場から逃げ出していくひじき氏だろう」
ニャトソン「では、叫び声をあげたのはひじき氏だというのか。しかし、ひじき氏は何に驚いたんだ」
ニャームズ「やれやれ、やっと気がついたかい。ヒントは彼の性格にある。彼が以前、動物病院に連れられていく際に全力で抵抗したという話があったね。ひじき氏は拘束されること、閉じ込められることが何よりも嫌いなんだよ。僕の推理はこうだ。オレオ氏とひじき氏は恒例となっている追いかけっこゲームを行っていた。ひじき氏が真っ暗なにゃんこ部屋のケージに飛び込んだあと、オレオ氏が追ってきてケージの扉を蹴って閉めてしまったんだ。ひじき氏はケージに閉じ込められたと思いパニックになって叫び声をあげる。それを聞いたオレオ氏は、驚いて部屋から逃げ出す。ぐりふぉん、みねるばの両氏が現場に到着したときには、ひじき氏は自力でケージからの脱出を果たしていた。だからケージの扉がゆれていたんだよ」
ニャトソン「なるほど。しかしオレオ氏が何も知らないと言っていたのはなぜだろう」
ニャームズ「簡単なことさ。オレオ氏は非常に怖がりなんだよ」


というわけで、ひじきが絶叫してニンゲンも猫もびっくりする、という事件がありました。あんまりすごい声だったので何が起きたのかと思いましたが、事実は上の小話のとおりのようです。ひじきは逃げ出した後、しばらくリビングのカーテン裏に隠れていました。オレオはずっとこたつの中に避難です。災難にあったひじきはともかくとして、オレオはびびりだなあ。


「怖かったのー」

0 件のコメント:

コメントを投稿