後にその日は「11.03」と呼ばれるようになった。「11.03」と言えば誰でもああ、あの事件の日か、と思い出すような歴史上の日付だ。もちろんボクたちはそんな日になるなんて、まったく思っていなかったし、誰も予想なんてできなかっただろう。たとえば、ものすごくよくあたる占い師が「危険だから」と言ったって、誰も耳を貸さなかったに違いない。
もしここにタイムマシンがあって使うことができるなら、11月3日に戻ってボク自身に伝えたい。今日はあそこに近寄ってはいけない。本当に危険だから。
いつもどおり、ボクたちは走り回っていた。ボクと兄ちゃんの動きを止められる大人なんていやしない。ボクたちは自分の縄張り(シマ)の点検を兼ねて鬼ごっこをしていた。例の天まで届くタワーもボクたちの大事な縄張りだった。バベルの塔ではないけれど、天まで届くようにそびえ立つタワーだ。
事件はボクたちがタワーのてっぺんに上がったときに起きた。
突然、足元がゆらいだ。何が起きたのかわからなかった。みりみりと何か固いものが裂ける音がして、ボクと兄ちゃんの乗っていたタワーが突然真っ二つに折れた。
折れたタワー
折れたタワーの残った方
かつて神様は天までそびえ立つバベルの塔を建てようとした人間に怒り、塔を崩壊させたという。ボクらのタワーも神の怒りにふれて崩壊したのだろうか。
事件を下から見ていた人はこう言っていた。「もともとあの日、タワーは少し傾いていた。オレオとひじきがなんども上り下りを繰り返し、次第に傾きがひどくなっていたようだ。ひじきを追いかけてオレオが駆け上がったのが引き金になったのだろう。スローモーションで見るようにタワーは真ん中で折れて、地上に落下した」
とにかく、天井に突っ張っていたボクらのキャットタワーは、パイプのジョイント部で折れて崩壊した。それ以来、タワーはグラウンド・ゼロと呼ばれるようになって……ない。
現場検分中
というわけで、11/03にキャットタワーが崩壊しました。オレオとひじきはえらいスピードでタワーに突っ込んでいくので、そのたびにキャットタワーの位置がずれたり、つっぱりがゆるんだりしていたみたいです。乗っていた猫たちもびっくりでしたが、下にいた人間もびっくりしました。あ、傾いた、やばいと思った次の瞬間にはどんがらがっしゃん。
パイプ部分は同じパーツが使われているので今はとりあえず、天井まで突っ張っていない方のパイプをつかって天井つっぱりを復活させています。でも、またいつ壊れることやら。。。
タワーを崩壊させたテロリスト(目つきが悪いのは仕様です)
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