2010年10月31日日曜日

嵐の日の犯行

 その日、嵐の過ぎ去った後には死体が残されていた。
 家に帰るなり、彼女はそれを目の当たりにすることになった。爪と牙の攻撃に遭い、すっかり荒れてしまった和室の畳の上に無惨な一部が落ちていたのだ。それはまるで残虐な行為を犯罪者が誇り、主張しているようでもあった。
 彼女はのど元まできた悲鳴を飲み込んだ。おそるおそる視線をリビングへ向ける。そこには本体があった。いや、正確には本体の殆どが。バラバラに引き裂かれ、和室とリビングの境に転がされていた。彼女はゆっくりとその場に膝をつく。もう手の施しようがないことは一目でわかった。
 部屋の奥から鈴の音がした。彼女の脳裏に犯罪者は現場へ戻る、という言葉がちらつく。まさかそんな、と思ったが、まさしくその瞬間、犯罪者は自分のなした恐るべき犯罪の現場を横切り、彼女へと近づいてきた。


「にゃおにゃぉ!(おかえり、お腹減った!)」


図1.和室に転がった死体の一部
 
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図2. 犯罪者は現場へ戻る
 
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図3.立ち去る犯罪者の足と残されたバラバラ死体
 
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わたしが悪いのですが、うっかり朝、机の上にファーつきシュシュを置きっぱなしにしてしまったようで、日中に二匹によって徹底的に破壊されたようです。そりゃー、こんなふわふわしたもの、猫が見つけたら遊びますよね。まあ、随分前に買ったものでもう壊れてきていたからいいんですけれど、つくづく猫の手の届くところに安易にものを放置してはいけないと思いました。食べちゃうようなものじゃなくて良かった。
他にも台所のお米袋が棚から落下していたり、ワゴンの最上段(180cmくらい)のキッチンペーパーの箱がつぶれていたので、相当、二匹で遊び回ったようです。うん、オレオとひじきが元気だったらたいていのことは大丈夫。

2 件のコメント:

  1. いつも楽しく拝見してます。
    突然のコメント,すみません。
    でも感想を書かずにはいられない~

    今回のミステリーも傑作ですね!
    犯人は黒色が多い...

    ガイシャはぬいぐるみかと思いきやシュシュですか。
    飲み込まなくてよかったですよね。
    米袋にもつぶされなくてよかったけど,お米もこぼれてませんでしたか?
    楽しそうな犯行現場を覗いてみたいものです...
    ビデオカメラの設置は考えていませんか?

    うちの一人っ子は朝からどこかで寝ています~

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  2. >匿名さん

    コメントありがとうございます。
    今回は「翻訳スリラー風」でした。犯猫の残していった痕跡から、すぐに容疑者は挙がるでしょう。二匹組、黒の多いソックス柄です。

    シュシュはサイズや重さが手頃なのか、夏場から既に布地のものはひじきに勝手に持って行かれていました。そのときはよだれまみれの刑くらいですんだんですが、ファーはばりばりとやられちゃいますね。ほんと、丸呑みされなくてよかったです。

    お米は幸い袋の口を縛っていたので無事でした。
    ビデオカメラを設置してみたいのですが、きっとうちの子たちはうまいことカメラに入らないようにいたずらをするんじゃないかと思っています。。。

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